去年の今頃、女将が寝ていた部屋の窓から、お隣の畑の奥に咲いている
染井吉野が見えました。自力ではほとんど動けなくなった身体で、
車いすに乗り、ベットから2メートルほど離れた窓際まで行き、お花見をしました。
毎年数えるほどしか、花を咲かせない吉野。「今年はいつもより花が多いね。」と言いながら、「これから、暖かくなって良い季節になる。それまでには、元気になろう。」と、死期を悟りながらの、女将らしい強がり。。。
今年もまた、去年と同じように桜が咲きます。
色んなことがあっても、ちゃんと季節は巡る。なんとなく哀しくもあり、でも、どこかほっとする事実です。