普段そう思うことは、ほとんどないのだけれど、昨日はふと亡くなった母と話がしたいと思った日だった。
そして、本棚の中で目に入った本。料理研究家 辰巳芳子のスープのレシピ集。
抗がん剤の副作用で味覚が変わり、食欲がなくなった母に、なんとか食べれるものを作ってあげたいと思っていた時にみつけた本。
結局、何を作っても彼女が「おいしい」と食べてくれたことはなくて、春になってクレソンが生えたら、この本の中にある「クレソンのポタージュ」を作ろうと思っていた。
クレソンを待たずに母は逝ってしまったので、結局作らなかったのだけれど。
そんなことを思い出し作ってみる。
ブイヨンは市販の固形ブイヨンで、ミキサーないからフードプロセッサーを使用。
そんなこんなで、本の写真とは随分違った感じで仕上がり、舌触りも良くないけど、味はまぁまぁ。
「今更ですが・・・」と、仏壇に供えてみる。
「ザラザラしてて、美味しくない。」・・・遠慮なく言うだろうな。あの人なら。などと思いながら。
母の意見ではなく、私は私の意志で、自分の選んだ道を責任と覚悟をもって歩くまで、と決意したりしてみた。