竹カゴやカマや草カキ、地下足袋なんかを車に積んで、年に何回か行商に来るおじさん。
マニアックな品揃えで、見るだけでも楽しいのですが、このおじさんの持ってきてくれる草カキが、とっても使い勝手が良いのです。
故・女将が元気だった時から愛用。でも最近さすがに刃がなくなってきたので、新しいのが欲しいなぁと思っていました。でも、他のお店には売っていない。
このおじさんが来るのを楽しみに待っていたところ、2,3日前に、ふらっと来てくれました。
「草カキ下さいっ!!!」と言うと、「良かった!最後の1コが残ってるよ!いつも買ってくれる人に売ろうと思って隠しといたんだ。」と、ごそごそと出してくれました。
・・・最後の1コ??と思っていると、、、
「これを作ってる工場は岩手の大船渡の海辺の漁具を作る工場で、実はこれ、もともとカキをこじ開ける道具を曲げた物なんだ。でも、今回の津波で工場が流された。幸い経営者夫妻は無事だったから、再建するって言ってるけど、次に品物が入るのはいつになるかわからない・・・」とのこと。
「こうしとけば、なくし難いからな。」と言って、おじさんは、赤いガムテープを巻いてくれました。
雪のない時期は毎日のように使うけれど、ビクともしない丈夫で使いやすい草カキ。
工場が再建されて、また新しいのが買えるようになるまで、大事に使おう。。。