元・亀遊館の日々

野麦峠スキー場・民宿亀遊館の旧HPの日記

梅酒には、哀しい話がつきものです。

今日は雨。庭のシャクナゲが満開。

この10日ほど、身辺整理(?)にあけくれている。 とりあえず、家中のガラクタを処分しようと、朝から晩まで掃除。 そうしていたら、亡くなった母が漬けた10年物の梅酒を発見。 まろやかになって、とても美味しい。 「梅酒」というと思い出す2編の詩がある。 高村光太郎が、智恵子が漬けた梅酒を、彼女の死後独りで味わう情景を書いた詩。 その詩を思い出しながら、生前の夫のために漬けた梅酒を、夫の死後独り味わう茨城のり子の詩。 どちらの詩も、静かに哀しい。 母の梅酒を飲みながら、あの2編の詩は、他の果実酒では成立しなかっただろうな・・・と思う。 梅酒の、ほんのりと甘く、ほんのりと酸味のある、どこか懐かしい風味は、亡き人を思い、しんみりと哀しさに浸るのに、ちょうど良いのだなぁ、と。